2012年8月23日木曜日

ZELDAというバンド

今年にはいってから80年代のガールズバンドを結構聴いている。これまでにも洋楽だったらBangles、邦楽だったらGo-Bangsなんかをよく聴いていたのだが、当時全く聴いたことがなかったZELDAというバンドを最近発見した。これが思わぬ掘り出し物だった。
 まず、ファンタジーぽいんだけど工業地帯が出てきたりするボーカルのサヨコによる特異な詞の世界。曲もエスニックっぽいフレーズがひんぱんに出てきたりするし、サウンドも適度にサイケで時には弦楽器を使ったり、ビートルズ的な音遊びにあふれている。

で、今回彼女らの代表作と言われている「CARNAVAL」(写真)「空色帽子の日」の2枚を購入したのだが、まずびっくりしたのが、「私の楽団(オーケストラ)」という戦前のオペラ風の曲のオリジナルがZELDAだったこと。この曲は黒色すみれという大正ロマン風の風変わりなユニットのカバー盤でしか聴いたことがなかったのだが、こんなクラシカルな曲をガールズバンドがやっていたというのはちょとした驚きだった。しかも作詞のサヨコは当時19才ぐらいのはず。

他にも幻想的な「スローターハウス」とか、エスニックな「小人の月光浴」とか、美しく可愛らしい「湖のステップ」とか、ストリングスがビートルズっぽい「Are You Lucky」などといった多彩な曲が展開されていて全く飽きさせない。

2012年7月30日月曜日

ヒューマン・ルネッサンス ザ・タイガース

最近、最もよく聴いているアルバムはタイガースの「ヒューマン・ルネッサンス」だ。個人的には、これが日本のPOPミュージックの歴史の中で最高傑作なのではないかと思っている。
日本のサージェントペパーズと言われるこのアルバムが発表されたのは、1968年のこと。当時のトップアイドルだった彼らにこのような売上を無視したアルバムを制作することが許されたということがまず奇跡なのだが、そこには様々ないきさつがあったらしい。
それはともかく、ポンペイの噴火を元にしたと言われる人類の滅亡と再生という壮大なテーマを持ったコンセプト・アルバムである。
最近、Prity Things というバンドの”S.F.Sorrow”というアルバムのライナーに「世界初のロック・オペラ」と書いてあるのを見たのだが、実はその数ヶ月前に出された「ヒューマン・ルネッサンス」が世界初なのではないだろうか?
このアルバムがなぜ過小評価されているかというと、それははっきりしていて、彼ら自身の作曲による曲が2曲しかはいっていないからである。が、それはザ・タイガースというアーティストの評価であって、アルバムの評価は別なのではないかと思う。すぎやまこういちや村井邦彦の手によって作られた作品であるにせよ、結果として素晴らしい作品が出来上がったことに変わりはない。
このアルバムの音楽性をひと言で言うと、クラシカルPOPということになると思う。弦楽器による重厚なアレンジ、沢田研二を中央に、左に加橋かつみの高音、右に一徳さん(笑)の重低音を配したコーラスなど、ミックスも含めて当時の世界最高水準に迫るクオリティーである。

中でも最高傑作といえるのが「忘れかけた子守唄」。おそらく日本においてシングルでないアルバムの中の一曲が人気をよんだのは、この曲が最初だと思う。後に70年代にはいってラジオで行われたGS人気投票でも、数あるヒット曲に混じってこの曲はランクインしていた。この曲は兵士とその母親を描いたある種反戦歌なのだが、どこかほのぼのとした無国籍なメルヘンっぽい世界で、宮沢賢治的な雰囲気さえある不思議な曲である。何より沢田研二、加橋かつみが交互に歌うという再結成時を別にすれば、ありそうでなかなかない貴重な曲である。

2012年2月27日月曜日

「21世紀の自殺者」0.8秒と衝撃。

昨日から一体何十回この曲を聴いているんだろう?
麻薬みたいな曲・・・

新しいのに妙に懐かしい哀愁に満ちた歌謡曲ごころをくすぐるメロディー
昔の有線ヒットにも似た世界。
最高にかっこいいベースとか、古き良き時代のロック的な雰囲気もあるし・・・
タイトルはKing Crimsonからとったのかな?

「21世紀の自殺者」0.8秒と衝撃。

2012年2月14日火曜日

はなればなれの唄 スプレンダーズ

久々に”ずっと探していた曲”第3弾です。
子供の頃、お昼前の暇な時間によく5分ぐらいのレコード会社が新譜を宣伝する番組があった。夏休みとかチャンネルつけっぱなしのときに、そういう番組を見るともなしに見ていることがよくあった。たいていは全くヒットしない曲なのだが、そんな中で数10年経っても妙に覚えている曲があるものだ。この曲がそれなのだが、たぶんそれだけ強烈な曲だったということだろう。
まずこの人達自体が謎の集団だった。歌謡コーラスのようでもありバンドのようでもあり・・・つまり楽器を持った歌謡コーラスだったわけだが・・・そして曲調はというと、これもまた謎。ジャズのようでもあり演歌のようでもあり・・・パッパッパヤッパッパなんていうスキャットまで出てくる。そしてきわめつけがシュールな歌詞。
離れ小島の椿の花は
風の吹きようで咲いたり散ったり
するそうな するそうな
・・・・
といった感じなのだが・・・
この曲もずっと曲名・グループ名がわからずにいたのだが、数年前ようやく歌謡曲黄金時代というサイトで解明された。残念ながらレコードは未入手。